田村秀子婦人科医院
田村秀子
 私共は平成3年より不妊専門クリニックとして様々な不妊症の方々と接して参りました。私自身も不妊症治療により出産してきたこともあり、患者さん達の目線で治療を行ってきました。私共の目指す不妊治療は「出来るだけ自然に近い治療で子供を授かる事」です。
 当院では最新の機器と技術をもって高度生殖医療を必要とする方には最高級の治療を行うことに尽力をしている一方、そのような治療が必要でない方には出来るだけストレスがなく、「治療をしている」という意識を持って頂かないような診療を目指しています。
 不妊治療というと「つらく耐え難い」というイメージを持たれる方が多いですけれど、その心の持ちようが不妊の原因になることが多いのは意外と知られておりません。まずはその人の心の持ち方や考え方、生活習慣などを聞き、その人だけのオーダーメイドな治療の提案をして参ります。その時にもストレスがかからないような工夫をしております。  当院の待合室に大きなポスターがございます。今までの妊娠した患者さんがどのような治療で妊娠したのかを一目でご理解頂けるものです。「田村秀子に会っただけで妊娠した」という項目があるのですが、他の項目と共にこの項目が増えてくることが私共の誇りです。
 最先端の不妊治療についてもお話しましょう。不妊治療はこの10年の間に飛躍的な進歩を遂げました。体外受精や顕微授精などの技術により今までに子供が出来なかった人にも授かるチャンスが出来てきました。しかし技術が先に進歩して心の部分がないがしろにされやすいのも事実です。不妊専門をうたう以上、技術が優れているのは当然です。そんな当たり前のことではなく、いかに心の部分のケアをいかに充実した上で最新の治療を行うのか、この部分に私共は注目しています。技術のバックアップがあるからこそ、またそれに自信があるからこそ、それを最大限にいかすための体と心のバランス作りを大切にしたいと思っております。
田村秀子婦人科医院のFACEBOOK
異変

胞状奇胎後の妊娠について

  • 2016年04月25日 |
  • Q&A |

こんにちは。Web担当の原です。

 

異常妊娠の一種である胞状奇胎になると、絨毛組織の一部が増殖してブドウのようになってしまい、妊娠の継続が難しくなってしまいます。適切な治療を受けることで次回の妊娠へつなげることができますが、その後、なかなか授かることができなければ当然、不安になりますよね。一度は妊娠しているので、不妊治療をステップアップしなくとも妊娠できる可能性は大いにあります。

 

しかし、そのタイミングを待ち続けたほうがいいのか、さらに治療を進めたほうがいいのか迷うところではないでしょうか。
今回は、そのようなお悩みをお持ちの方からのご質問になります。

 
若葉
 

【Q】
5年前に卵巣嚢腫の核摘出手術をし、3年前に胞状奇胎による流産を経験しています。1年間通院しました。無事下がったので治療はしていません。

 

妊娠解禁になってから、1年10ヶ月経ちますがまだ妊娠出来ていません。
10ヶ月前から病院へ行っています。フーナーテストが3回供、400倍で1と診断された為、人工授精をしていますが7回残念な結果になりました。

 

自分の今の気持ちとしては、1度妊娠しているので、高度な治療をしなくても大丈夫なんじゃないかと思っているのですが、7回だめだったということは、ステップアップした方がよいのか、どうしたら良いのかご意見いただいても宜しいでしょうか。

 

どうぞ宜しくお願い致します。

 
 

【A】
がんばってらっしゃるのですね。
胞状奇胎も妊娠ですから、おっしゃるように自然に妊娠する可能性は十分にあると思います。

 

ただ 多くの方は”次も同じことが起こったらどうしよう”、という不安をどこかに持ちながら、かつなるべく早く妊娠したい、という思いを、一度妊娠しているからこそより強く持ってしまうようですね。
 
そうすると期待と不安が入り混じって決して1回目を妊娠した頃と同じ”無心”の状態ではなくなるのでしょう。だから毎回今度こそ今度こそと思い、生理が来ませんようにと祈り、そして生理がきてしまって落胆する、という状況が毎回ボディブローのようにダメージを積み重ねてしまい徐々に疲れてきちゃうのです。

 

長々と書きましたが、こういう状況がいわゆる”忘れた頃に妊娠する”ということにつながるのだろうと思うのですね。貴女の場合こういったことがあてはまるのかどうかは分かりません。

精子の状態が一回目の妊娠のときより格段に悪くなっていることもないわけではないと思います。だけど貴女は妊娠したのです。

 

前に他の方にもお答えしましたが、貴女の卵管が卵をキャッチし卵と精子が出会えば精子が卵の中に侵入して受精し、受精卵が子宮内膜に着床していく、この一連の現象が貴女の体内では確実に起こっていることを貴女は証明済みなのです。

 

ですから貴女は”これから先何をやったらいつ妊娠できるのだろう”、と思い悩むよりも、”これから先どんな治療をしろといわれたとしても、必要ならやってやろうじゃないの。だって私は妊娠できる人なのだから。

50歳になった頃にはいくつの子かは分からないけど私のそばにいるのは確かなんだから。”、って思ってるのがよいのではないでしょうか。

 

AIHも回数ではありません。微妙にタイミングがずれて、とか卵のクウォリティが悪い、とかでカウント1に入れられない事だってありますしね。だからステップアップが必要かどうかは一度主治医の先生にご相談なさってみてはいかがでしょうか。
 
より高度な治療が必要かどうかは治療の年数や治療の回数で決めるべきものではありませんが、医学的にはたとえ妊娠されたことがあってもより高度な治療が必要と思われる方もありますのでね。
 
貴女に今後とももっていていただきたいのは”私は妊娠できるんだ、だからどんなことでも今できる努力を背伸びしないで自分に無理をしないでやっていけばいいんだ。妊娠は今、この周期でなくてもいい。”、という自信です。

 

ちょっといっぱい書きすぎて焦点がぼけちゃいましたね。もう一度結論を言いますと、ステップアップの必要性は医師にお尋ねになってみてください。それでもしステップアップ必要といわれるようなら、自然に妊娠したという事実を”自然に対するこだわり”にせず、”妊娠できるという自信”に変換して、何でもできることから無理をせず挑戦してみてくださいな。

 

フレー! フレー!です。

 
 

田村秀子婦人科医院 クリニックWEBサイト
http://tamura-hideko.com/

田村秀子婦人科医院 フェイスブックページ
https://www.facebook.com/tamura.hideko

田村秀子婦人科医院 ツイッター
https://twitter.com/hidekocl

 


こちらも合わせてお読みください

images-194 2015年03月12日 産後の生理について