田村秀子婦人科医院
田村秀子
 私共は平成3年より不妊専門クリニックとして様々な不妊症の方々と接して参りました。私自身も不妊症治療により出産してきたこともあり、患者さん達の目線で治療を行ってきました。私共の目指す不妊治療は「出来るだけ自然に近い治療で子供を授かる事」です。
 当院では最新の機器と技術をもって高度生殖医療を必要とする方には最高級の治療を行うことに尽力をしている一方、そのような治療が必要でない方には出来るだけストレスがなく、「治療をしている」という意識を持って頂かないような診療を目指しています。
 不妊治療というと「つらく耐え難い」というイメージを持たれる方が多いですけれど、その心の持ちようが不妊の原因になることが多いのは意外と知られておりません。まずはその人の心の持ち方や考え方、生活習慣などを聞き、その人だけのオーダーメイドな治療の提案をして参ります。その時にもストレスがかからないような工夫をしております。  当院の待合室に大きなポスターがございます。今までの妊娠した患者さんがどのような治療で妊娠したのかを一目でご理解頂けるものです。「田村秀子に会っただけで妊娠した」という項目があるのですが、他の項目と共にこの項目が増えてくることが私共の誇りです。
 最先端の不妊治療についてもお話しましょう。不妊治療はこの10年の間に飛躍的な進歩を遂げました。体外受精や顕微授精などの技術により今までに子供が出来なかった人にも授かるチャンスが出来てきました。しかし技術が先に進歩して心の部分がないがしろにされやすいのも事実です。不妊専門をうたう以上、技術が優れているのは当然です。そんな当たり前のことではなく、いかに心の部分のケアをいかに充実した上で最新の治療を行うのか、この部分に私共は注目しています。技術のバックアップがあるからこそ、またそれに自信があるからこそ、それを最大限にいかすための体と心のバランス作りを大切にしたいと思っております。
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質の良い卵をつくるためにできることとは?

  • 2016年06月06日 |
  • Q&A |

こんにちは。Web担当の原です。

 

不妊治療されている患者さんの多くは、“どうしたら、質の良い卵をつくれるのだろう?”という疑問をお持ちなのではないでしょうか。

 

今回は、そのような気持ちを代弁してくれるご質問を紹介します。
bright natural background with white daisies
【Q】
精子の単位ですが、1億2500万です。(ただし、量は0.5mlしかありません)。
いつも量が少ないですが、やはり病気でしょうか?運動率もよくないです。

 

実は、1回目のAIHでは、判定日(14日目)にくっきり陽性が出ましたが、AIHする日にはHCG5000とその6日後HCG3000注射があったので、何とも言えないと先生から言われました。その3日後、尿検査で弱弱陽性になり、この日に血液されました(HCG=5)。それからの2日目に生理となりました。

 

2回目のAIHでは、AIHの日にHCG10000のみの注射で、11日目血液検査(HCG=13)の結果で、それから6日後生理となりました。

 

3回目のAIHでは、何も検査していなくて、高温16日目に生理がきました。

 

化学流産なのか注射の残りなのか、まったくわかりません。いったい何が原因で妊娠できないこともわからないまま、とても悩んでいます。

 

先生のご返事を見て、もうちょっとAIHでがんばりたいと思いますが、気をつけることはなんでしょうか?質のいい卵を作る方法があるでしょうか?
(現在クロミッド1錠+HMG75一回の方法です)

 

よろしくお願いします。
【A】
精液量が0.5mlしかないのは(プレッシャーなどが原因で)十分に勃起せずに射精されているのか、あるいは不完全逆行性射精かだと思いますが、前者のほうが確率は高いです。

 

何が原因で妊娠しないか、なんて、妊娠された方でも何が悪くて妊娠せず何がよくなって妊娠したか分からないことが殆どですよ。
ですから”何が原因で妊娠しないんだろう”と思い悩んだって決して答えは出ないものだろうと思うのです。

 

なぜなら精子が少ない人でも体外受精・顕微授精をしても妊娠しないことの方がまだ残念ながら多いのですから、原因は1つとは限らないわけです。
さらにいうなら、ARTを必要としないのにもかかわらず妊娠しない人も沢山いるのです。
貴女のご主人の精子もデータだけから言えばARTが絶対に必要な状態とはいえないですからね。
古今東西を問わず言われているのは”忘れた頃に妊娠する”、です。
つまり妊娠したい・妊娠したい、と強く思い悩んでいる間は過剰期待・過剰不安・ストレスがかかり、卵の質が悪くなるのです。

 

ですから質のよい卵を作る方法は、貴女が心に”ゆとり”を持つことです。
貴女はまだ29才ととても若いのだから何でもできるのです。いっぱい時間があるのです。
だから”今でなくてもいい。後10年位の間に一人か二人できればいいわ。”くらいに思えるゆとりがあれば、あなたの卵巣はいい卵を作ってくれると思いますよ。

もちろん注射や薬でホルモンバランスを整えていくこともできます。
そのためにはクロミッド1錠+HMG75一回なんてなまっちょろい事はしないですよ。
がんがん注射をするものです。

 

ですから貴女はたかだかAIHを3回やっただけなのだから行き詰っているのでもなんでもなく、まだまだこれからARTなんて段階じゃなくいっぱいやってみれることがあると思うのです。
AIHの後に妊娠反応が出たことだって細かいことにとらわれず、”着床しかけたから妊娠反応がでたと信じてがんばろうっと。”、でいいのじゃないでしょうか。
とにかく質のよい卵を作るためにはプラス思考が絶対に必要です。
しょうもないこと考えてる自分に気付いたら”あ、いけない、いけない。もっと楽しいこと考えよ。”、と頭をポンポンとたたいておいてくださいな。
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